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懲戒 – 労働契約の展開

服務規律や企業秩序を維持するため、規律違反や秩序違反に対する制裁として「懲戒処分」が行われる。企業においては、就業規則で懲戒解雇、諭旨解雇(勧告に応じて退職しない場合には懲戒解雇することを前提とした退職の勧告)、出勤停止、減給、戒告、訓告、譴責等として制度化されている場合も多い。
懲戒事由としては、①経歴詐称、②職務懈怠、③業務命令違背、④業務妨害、⑤職場規律違反、⑥労働者たる地位・身分による規律違反(私生活上の非行、無許可兼職、誠実義務違反等)等がある。
懲戒処分の法的根拠について、判例では、使用者は、広く企業秩序を維持し、もって企業の円滑な運営を図るために、その雇用する労働者の企業秩序違反行為を理由として、当該労働者に対し、一種の制裁罰である懲戒を行うことができるとしている。
また、判例では、使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要するとされ、就業規則が法的規範としての性質を有するものとして、拘束力を生ずるためには、その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続がとられていることを要するとしている。
労働契約法第 15 条では、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする」としている。
参考となる裁判例
【関西電力事件(最一小判昭和 58 年9月8日)】

労働者が社宅で会社を批判するビラを配布したことから企業が労働者を譴責処分としたことについて、裁判所は譴責処分を有効とした事案。
ビラの内容の大部分が事実に基づかず、又は事実を誇張歪曲して会社を非難攻撃し、中傷誹謗するものであり、右ビラの配布により労働者の会社に対する不信感を醸成して企業秩序を乱し、又はそのおそれがあったものとした。
当該ビラの配布は、就業時間外、職場外において職務遂行に関係なく行われたものであっても、就業規則所定の懲戒事由「特に不都合な行為をしたとき」に当たる。
参考となる判例
【フジ興産事件(最二小判平成 15 年 10 月 10 日)】

労働者が得意先との間でトラブルを発生させたり、上司に対する反抗的態度をとったり暴言を述べたりして職場の秩序を乱したことから、就業規則の懲戒事由に当たるとして懲戒解雇したことについて、裁判所は就業規則が労働者に周知されていなかったとして懲戒解雇は許されないとした事案。
使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則に懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する。就業規則が法的規範としての性質を有するものとして効力を生じるためには、その内容を適用される事業場の労働者に周知させる手続がとられることを要する。
参考となる裁判例
【炭研精工事件(最一小判平成3年9月 19 日)】

逮捕拘留されたことによる無断欠勤、経歴詐称、禁固以上の刑に処せられたこと、構内でのビラ配りを理由として労働者を懲戒解雇したことについて、裁判所は懲戒解雇を有効とした事案。
雇用契約は労働者と使用者の信頼関係に基礎を置く継続的関係であり、企業秩序の維持に関係する事項も必要かつ合理的な範囲で信義則上真実を告知する義務がある。最終学歴は企業秩序の維持にも関係する事項なので真実を申告すべき義務がある。
参考となる裁判例
【横浜ゴム事件(最三小判昭和 45 年7月 28 日)】

住居侵入罪で処罰された労働者(被上告人)を懲戒解雇したことについて、裁判所は解雇を無効とした事案。
被上告人は酩酊して他人の居宅に理由なく入り込み、このため住居侵入罪として処罰に至ったが、被上告人の行為は、会社の組織、業務等に関係のない、いわば私生活の範囲内で行なわれたものであること、被上告人の受けた刑罰が罰金 2500 円の程度に止まったこと、上告会社における被上告人の職務上の地位も蒸熱作業担当の工員で指導的なものでないことなど原判示の諸事情を勘案すれば、被上告人の行為が、上告会社の体面を著しく汚したとまで評価するのは、当たらない。
参考となる裁判例
【ネスレ日本事件(最二小判平成 18 年 10 月6日)】

上司に対する暴行事件を起こした労働者を懲戒解雇したことについて、裁判所は懲戒解雇を無効とした事案。
上司に対する暴行事件から7年以上経過した後にされた本件懲戒解雇処分は、懲戒解雇事由について企業が主張するとおりの事実が存在すると仮定しても、懲戒処分時点において企業秩序維持の観点からそのような重い懲戒処分を必要とする客観的に合理的な理由を欠くものといわざるを得ず、社会通念上相当なものとして是認することはできない。

※ 本指針においては、裁判例の分析、参考となる裁判例に関する記述と、雇用慣行、法制度、関連情報等に関する記述とを区別しやすくするため、前者については   で囲み、後者については   で囲んでいる。
また、特に紛争が生じやすい項目については、紛争を未然に防止するために留意すべき点を記述している。
上述のとおり、本指針の裁判例の分析は一般的傾向を記述したものであり、個別判断においては、個々の事案毎の状況等を考慮して判断がなされる。

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