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10 賃金

10 賃金

 労働基準法では、賃金とは名称を問わず労働の対償として使用者が支払う全てのものを言います。したがって、毎月支払われる基本給、諸手当の他、あらかじめ支給条件が明確に示されている賞与や退職金も含まれます。

■ 賃金支払の5原則【労働基準法第24条】

例外

(1)通貨以外のものの支給が認められている場合 法令・労働協約(※)に現物支給の定めがある場合
(2)賃金控除が認められている場合 法令(公租公課)の定めがある場合、労使協定による場合
(3)毎月1回以上、一定の期日払いでなくてよい場合 臨時に支給される賃金、賞与、査定期間が1か月を超える場合の精勤手当・能率手当など
(※)労働協約とは、労働組合と使用者の両当事者が、署名又は記名押印した労働条件等に関する事項に係る書面です。労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は無効となり、労働協約に定める基準の内容となります。【労働組合法第14条・第16条】

■ 賃金の口座払

 労働者の同意があれば、所定の賃金支払日に払い出せるように、労働者が指定する本人名義の預貯金口座に振り込むことができます。

■ 最低賃金【最低賃金法】

○ 最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者(事業主)は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。最低賃金は、パートタイム労働者、アルバイト等を含むすべての労働者に適用されます。

○ 愛知県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対しては「地域別最低賃金」が適用されます。このほか、愛知県内の産業について「特定(産業別)最低賃金」が定められている場合は、「特定(産業別)最低賃金額」も適用されます。両方の最低賃金が適用される場合は、高い方の最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。

○ 最低賃金はその企業の本社がある都道府県において定められた額が企業全体に一律に適用されるのではなく、本社や支店などの事業場がある都道府県において定められた額が適用されます。

○ 愛知県において適用される「地域別最低賃金額」及び「特定(産業別)最低賃金額」は、<最低賃金一覧>をご覧下さい。

○ 最低賃金は「時間額」で定められています。賃金が月給制、日給制等の場合には、時間額に換算して比較します。

-最低賃金との比較方法-

1 時間給の場合 時間給 ≧ 最低賃金額(時間額)
2 日給の場合 日給 ÷ 1日平均所定労働時間数 ≧ 最低賃金額(時間額)
3 週給、月給の場合 週給(月給) ÷ 1週(1月)平均労働時間数≧最低賃金額(時間額)
4 歩合給の場合 歩合給(賃金算定期間において計算された総額)
÷ 賃金算定期間において歩合給で労した総労働時間
≧ 最低賃金額(時間額)

○ 最低賃金を時間額に換算する際は、次の賃金は含まれません。
1 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
2 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
3 1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
4 時間外労働、休日労働及び深夜労働の手当

■ 休業手当【労働基準法第26条】

 会社側の都合(店舗の改装による休業、工場の生産調整による休業など)により労働者を休業させた日については、平均賃金の6割以上の手当(休業手当)を支払わなければなりません。

■ 平均賃金【労働基準法第12条】

○ 平均賃金は、次の金額を算定する際の基準となるものです。
① 解雇予告手当
② 休業手当
③ 年次有給休暇の賃金
④ 休業補償等の災害補償
⑤ 減給制裁の制限

○ 平均賃金は、直前の賃金締切日以前3か月間に支払われた賃金額を基に算出します

■ 出来高払制の保障給【労働基準法第27条】

 出来高払制、その他の請負制で使用する労働者については、出来高が少ない場合でも実収入賃金が低下することを防ぐために、使用者は労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければなりません。
 保障給の額は、常に通常の実収賃金とあまり隔たらない程度の収入が保障されるように定めることとされています。

■ 労働者名簿【労働基準法第107条】、賃金台帳【労働基準法第108条】

○ 本社、本店、営業所等の事業場ごとに各労働者の労働者名簿と賃金台帳を作成し、次の事項を記入しておかなければなりません。

◇ 賃金台帳の記載事項・・・最後の記入をした日から3年間保存
① 氏名 ② 性別 ③ 賃金計算期間 ④ 労働日数 ⑤ 労働時間数 ⑥ 時間外、休日労働時間数及び深夜労働の時間数 ⑦ 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額 ⑧ 賃金控除の額

◇ 労働者名簿の記載事項・・・退職日から3年間保存
① 氏名 ② 生年月日 ③ 履歴 ④ 性別 ⑤ 住所 ⑥ 従事する業務の種類(常時30人未満の事業場では不要) ⑦ 雇入れの年月日 ⑧ 退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合はその理由) ⑨ 死亡の年月日及びその原因

○ 記載事項を満たしていれば様式は問いませんので、例えば賃金台帳と源泉徴収簿を合わせて調製しても構いません。いずれの台帳も電子データで記録・保存することができますが、労働基準監督官から求められたときは、すぐにディスプレイに表示し、写しを提出できるようにしておかなければなりません。