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Ⅵ 裁量労働制

Ⅵ 裁量労働制

 裁量労働制とは、業務の性質上、その業務の遂行の方法や時間の配分などについて、大幅にその労働者の裁量にゆだねる必要があるため、使用者が具体的な指示をせず、労働時間については労使協定において定められた時間労働したものとみなす制度です。

 裁量労働制には、

  • ① 研究開発その他特定の専門業務についての裁量労働制(専門業務型裁量労働制)
  • ② 事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務についての裁量労働制(企画業務型裁量労働制)

の 2 種類があります。

1 専門業務型裁量労働制

 新商品、新技術の開発等の業務の性質上、その遂行の手段などを労働者の裁量にゆだねる必要があるため、使用者が業務の進め方や時間配分などについて具体的な指示をすることが困難な対象業務として、次の 19 業務が定められています。

  • ① 新商品・新技術の研究開発又は人文科学・自然科学に関する研究の業務
  • ② 情報処理システムの分析・設計の業務
  • ③ 新聞・出版の事業における記事の取材・編集の業務、放送番組の制作のための取材・編集の業務
  • ④ 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務(デザイナーの業務)
  • ⑤ 放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー、ディレクターの業務
  • ⑥ 広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(コピーライターの業務)
  • ⑦ 事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを適用するための方法に関する考案・助言の業務(システムコンサルタントの業務)
  • ⑧ 建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(インテリアコーディネーターの業務)
  • ⑨ ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
  • ⑩ 有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務(証券アナリストの業務)
  • ⑪ 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
  • ⑫ 大学における教授研究の業務
  • ⑬ 公認会計士の業務
  • ⑭ 弁護士の業務
  • ⑮ 建築士の業務
  • ⑯ 不動産鑑定士の業務
  • ⑰ 弁理士の業務
  • ⑱ 税理士の業務
  • ⑲ 中小企業診断士の業務

 上記の業務のうち、労使協定で定める業務に従事する労働者の労働時間については、実際の労働時間にかかわらず、協定で定めた時間労働したものとみなされます。

(1)労使協定で定める事項

  • ① 対象業務及び従事労働者の範囲
  • ② 業務の遂行手段、時間配分の決定などに関し、使用者が労働者に具体的な指示をしないこととする旨の規定
  • ③ その業務に必要な 1 日当たりの「みなし労働時間」
  • ④ 有効期間(3 年以内とすることが望ましい。)
  • ⑤ 労働時間の状況に応じた労働者の健康・福祉確保のための措置
  • ⑥ 苦情処理措置
  • ⑦ 上記⑤及び⑥の措置に関する労働者ごとの記録を労使協定の有効期間中及び有効期間満了後 3 年間保存すること

(2)届出義務

上記(1)の労使協定は、所定の様式(54 頁参照。)により所轄の監督署長に届け出る必要があります。

2 企画業務型裁量労働制

 上記 1 の裁量労働制とは別に、「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務」で、当該業務の性質上、これを適切に遂行するには、その遂行の手段や時間配分の決定等に関して使用者が具体的な指示をしない業務(対象業務)について、労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し意見を述べることを目的とする一定の要件を満たす労使委員会を設置し、次の事項を委員の 5 分の 4 以上の多数により決議し、これを所定の様式(55 頁参照。)により所轄の監督署長に届け出たときは、その対象業務について裁量労働制を採ることができます。

(注)企画業務型裁量労働制については、当然のことですが、対象業務が行われている事業場においてのみ実施できるものです。

(1)労使委員会の決議事項

  • ① 対象業務の具体的な範囲

     対象業務とは、事業の運営に影響を及ぼす事項(対象事業場の属する企業等に係る事業の運営に影響を及ぼす事項及び当該事業に係る事業の運営に影響を及ぼす独自の事業計画や営業計画)についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、その業務の遂行の手段及び時間配分等の決定等について使用者が具体的な指示をしないこととする業務をいいます。

  • ② 対象労働者の具体的な範囲

     対象労働者は「対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者」であって、対象業務に常態として従事している必要があります。対象労働者の範囲は対象業務ごとに異なることもあり得ることから、その範囲を特定するため、職務経験年数、職能資格等の具体的な基準を明らかにする必要があります。例えば、「大学の学部を卒業して 5 年程度の職務経験」、「主任(職能資格○級)以上の労働者」というような具体的な範囲を定める必要があります。

  • ③ みなし労働時間

     みなし労働時間は 1 日についての対象労働者の労働時間数として、具体的に定める必要があります。
    なお、企画業務型裁量労働制においても、休憩、休日、深夜業に係る規定は、原則どおり適用されます。

  • ④ 労働時間の状況把握方法、健康及び福祉を確保するための措置の具体的な内容

     使用者は、対象労働者の労働時間の状況等の勤務状況を把握するため具体的な方法を定めなければなりません。その方法として、いかなる時間帯にどの程度の時間在社し、労務を提供し得る状態にあったか等を明らかにし得る出退勤時刻又は入退室時間の記録等によらなければなりません。また、勤務状況に基づいて、対象労働者の勤務状況に応じて、どのような健康・福祉確保措置をどのように講ずるかを明確にする必要があります。

  • ⑤ 労働者からの苦情の処理のための措置の内容

     苦情の申出の窓口及び担当者、取り扱う苦情の範囲、処理の手順・方法等について具体的内容を明らかにする必要があります。

  • ⑥ 労働者本人の同意を得なければならないこと及び不同意の労働者に対する不利益取扱いをしてはならないこととされています。

     労働者本人の同意は、当該労働者ごとに、かつ、決議の有効期間ごとに得る必要があります。

  • ⑦ 決議の有効期間

     3 年以内とすることが望ましいとされています。

  • ⑧ 企画業務型裁量労働制の実施状況に係る以下に掲げる事項の記録の保存

     以下の事項に関する労働者ごとの記録を労使委員会の決議の有効期間中及び有効期間満了後 3 年間保存すること。

    • • 対象労働者の労働時間の状況
    • • 上記④において使用者が講じた措置
    • • 上記⑤において使用者が講じた措置
    • • 上記⑥において得た労働者本人の同意

(2)労使委員会の要件等

  • ① 委員の半数は、当該事業場に過半数労働組合がある場合はその労働組合、ない場合は労働者の過半数を代表する者(管理監督者を除く。)から任期を定めて指名すること。
  • ② 委員会の開催の都度、議事録を作成し、3 年間保存すること及び当該事業場の労働者に周知が図られていること。
  • ③ 労使委員会の招集、定足数、議事その他委員会の運営について、必要な事項に関する規程が定められていること。

(3)報告

 下記の事項について、労使委員会の決議が行われた日から起算して6か月以内に1回及びその後1年以内ごとに1回、所定の様式 56 頁参照。)により所轄の監督署長に届け出ることが必要です。

  • ① 対象労働者の労働時間の状況
  • ② 当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況

   PDF 「様式第13号(第24条の2の2第4項関係) 専門業務型裁量労働制に関する協定届」
   PDF 「企画業務型裁量労働制に関する決議届」
   PDF 「様式第13号の4(第24条の2の5第1項関係) 企画業務型裁量労働制に関する報告」

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