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Ⅴ 職場におけるパワーハラスメント

Ⅴ 職場におけるパワーハラスメント

 『職場におけるパワーハラスメント』とは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。「優位性」とは、職場における役職の上下関係に限らず、当人の作業環境における立場や能力などが含まれます。

 たとえば、部下が上司に対して客観的になんらかの優れた知識や能力を背景にした優位性があり、これを利用して相手に精神的・身体的な苦痛を与える場合など、たとえ部下から上司に対する行為であってもパワーハラスメントにあたる可能性があります。

 同僚が他の同僚に対して行ういじめも同じです。

 パワハラにあたるか否かの判断では、業務上の合理性や妥当性があるかが問題となります。客観的に仕事に関係していて、かつ必要な程度での指導や叱責は、相手がどう感じたかにかかわらずパワハラには該当しません。皆の前で、何度も、長時間、などの表現や回数、態様で判断します。

 行為の具体的な類型としては、以下のものが挙げられます。

  • ① 身体的な攻撃(暴行・傷害)
  • ② 精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
  • ③ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
  • ④ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
  • ⑤ 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
  • ⑥ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

 特に④~⑥は業務とどの程度関連しているか適正な範囲の見極めが必要ですので、パワーハラスメントが疑われる個別のケースを裁判例等も参考としながらよく精査することが重要です。

 また、仮に企業が加担していなくとも、裁判によって、その責任を問われる可能性があります。

○安全配慮義務違反による債務不履行責任
 (使用者が労働者に対し負っている安全配慮義務に違反すると認められる場合)
○権利の濫用等による不法行為責任
 (業務命令権や人事権などの範囲の逸脱・濫用であると認められる場合)
○使用者責任としての不法行為責任
 (企業が遂行する事業に関して、使用する労働者が第三者に損害を与えた場合

【参考】啓発用サイト「あかるい職場応援団」http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/