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Ⅱ  解雇

Ⅱ 解雇

解雇の効力
○ 期間の定めのない労働契約の場合
労契法第 16 条では、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とすると定めています。
○ 期間の定めのある労働契約の場合
 労契法第 17 条第 1 項では、使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない、と定めています。
整理解雇

 会社の経営悪化により、人員整理を行うための解雇です。これまでの裁判例を参考にすれば、労働組合との協議や労働者への説明を行うとともに、次のことについて慎重に検討を行っていただくことが望まれます。

  • ・人員削減を行う必要性
  • ・できる限り解雇を回避するための措置を尽くすこと
  • ・解雇対象者の選定基準が客観的・合理的であること
  • ・解雇手続の妥当性
  • (※)人員削減を避けるために、労働時間の短縮(ワークシェアリング)を行うことも、一つの方策です。
  • (※)解雇回避のための方法としては、例えば、配置転換、出向、希望退職募集等を検討することが考えられます。
  • (※)解雇手続については、労働組合との協議や労働者への説明が求められます。
懲戒解雇
 従業員が悪質な規律違反等を行ったときに懲戒処分として行う解雇です。就業規則等に具体的な種類・程度や要件を記載することが必要です。
普通解雇
 労働者が職務を遂行できないことを理由とする解雇です。具体的には、これまでの裁判例を参考にすると、以下のような場合が該当すると考えられます。

  • • 勤務成績が著しく悪く、指導を行っても改善の見込みがないとき
  • • 健康上の理由で、長期にわたり職場復帰が見込めないとき
  • • 著しく協調性に欠けるため業務に支障を生じさせ、改善の見込みがないとき
解雇についての法令上の制限
 次の場合は法律の規定により解雇が禁止されています。

  • ① 業務上傷病により休業する期間及びその後 30 日間の解雇 (労基法 19)
  • ② 産前産後の休業期間及びその後 30 日間の解雇(労基法 19)
  • ③ 国籍、信条、社会的身分を理由とする解雇(労基法 3)
  • ④ 裁量労働制を拒否したことを理由とする解雇(労基法 38 の 4①)
  • ⑤ 労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇(労基法 104②)
  • ⑥ 労働組合への所属または正当な組合活動等を理由とする解雇(労組法 7)
  • ⑦ 障害者雇用促進法上の紛争解決の援助の申出や調停の申請をしたことを理由とする解雇(障害者雇用促進法 74 の 6②、74 の 7②)
  • ⑧ 性別を理由とする解雇(均等法 6)
  • ⑨ 女性が婚姻、妊娠、出産したこと、産前産後の休業をしたこと等を理由とする解雇(均等法9)
  • ⑩ 均等法上の紛争解決の援助の申出や調停の申請をしたことを理由とする解雇(均等法 17②、18②)
  • ⑪ 雇用保険法上の確認の請求をしたことを理由とする解雇(雇用保険法 73)
  • ⑫ 派遣法違反の事実を申告したことを理由とする解雇(派遣法 49 の 3②)
  • ⑬ 港湾労働法違反の事実を申告したことを理由とする解雇(港湾労働法 23 で読み替えて適用する派遣法 49 の 3②、44②)
  • ⑭ 建設労働法上の建設業務労働者就業機会確保事業に係る規定に違反したことの事実を申告したことを理由とする解雇(建設労働者の雇用の改善等に関する法律 44 で読み替えて適用する派遣法 49 の 3②)
  • ⑮ 育児・介護休業等の申出をしたこと又は取得をしたことを理由とする解雇(育介法 10、16、16 の 4、16 の 7、16 の 10、18 の2、20 の2、23 の2)
  • ⑯ 育児・介護休業法上の紛争解決援助の申出や調停の申請をしたことを理由とする解雇(育介法 52 の 4②、52 の 5②)
  • ⑰ パート法上の紛争解決の援助の申出や調停の申請をしたことを理由とする解雇(パート法24②、25②)
    ※パート・有期法が施行される令和2年4月1日(中小企業におけるパート・有期法の適用は令和3年4月1日)からは、パート・有期法上の紛争解決の援助の申出や調停の申請をしたことを理由とする解雇(パート・有期法 24②、25②)
  • ⑱ 労働者が都道府県労働局長に対して個別労働関係紛争の解決の援助を求めたことを理由とする解雇(個紛法 4)
  • ⑲ 公益通報をしたことを理由とする解雇(公益通報者保護法 3)
  • ⑳ 裁判員の職務をするために休暇を取ったこと等を理由とする解雇(裁判員法 100)

1 解雇する場合の手続き

 労基法では、使用者が労働者を解雇する場合には、解雇の予告をするなど一定の手続きを義務付けています(労基法 20)。

(1)解雇の予告

 使用者が労働者を解雇しようとする場合には、少なくとも 30 日前にその予告をしなければなりません(労基法 20)。

 例えば、10 月 1 日に解雇(9 月 30 日まで勤務)しようとする場合には、8 月 31 日に解雇の予告をする必要があります。予告の方法は、「30 日後に」という表現ではなく、例えば「○月○日」というように、解雇の日を特定して行う必要があります。

 また、予告は口頭でも有効ですが、後日のトラブルを防止するうえでも文書で行う方がよいと考えられています。

(2)解雇理由の明示

 解雇を予告された労働者は、解雇前においても使用者に対し、当該解雇の理由について証明書を請求できます(労基法 22②)。

 これは、解雇をめぐる紛争を未然に防止し、その迅速な解決を図るためには、あらかじめ解雇に係る紛争の争点を明確にするとともに、解雇の効力が発生する日までの間において、労使当事者間での当該解雇理由の適否についての話し合いを実質的に促進することが有効であることから、従来の退職時の証明に加えて、解雇を予告された労働者は、解雇の予告がなされた日から退職の日までの間においても、使用者に対して当該解雇の理由を記載した証明書の交付を請求できることとし、請求があった場合には、使用者は、遅滞なくその証明書を交付しなければならないとしたものです。

労基法第 22 条第 1 項と第 2 項の関係

 なお、「解雇の理由」については、具体的に示す必要があり、就業規則等の一定の条項に該当する事実が存在することを理由として解雇した場合には、就業規則の当該条項の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を証明書に記入しなければなりません(解雇理由証明書(様式例)参照。)

   PDF <解雇理由証明書(様式例)> 

(3)解雇予告手当

(1)で述べた解雇の予告をしない場合には、平均賃金の 30 日分以上の解雇予告手当を支払う必要があります(労基法 20)。

 仮に、予告期間が 30 日に満たない場合には、その満たない部分の平均賃金を支払うことが必要です。例えば、予告期間が 20 日間しかない場合には、不足の 10 日分の平均賃金を支払うことが必要になります。

(4)解雇予告等の適用除外等

 以下の労働者を解雇する場合には、労基法上予告等が義務付けられていません(労基法 21)。

  • ① 日々雇い入れられる者
  • ② 2 か月以内の期間を定めて使用される者
  • ③ 季節的業務に 4 か月以内の期間を定めて使用される者
  • ④ 試の使用期間中の者

 ただし、①の者が1か月を超えて使用されるようになった場合、②又は③の者が所定の期日を超えて使用されるようになった場合及び④の者が 14 日を超えて使用されるようになった場合には、原則どおりに予告をするか、解雇予告手当の支払いが必要になります。

(5)解雇予告等のいらない場合

ア 天災事変の場合
 天災事変その他やむを得ない事由によって、事業を続けることができなくなった場合には、あらかじめ所轄の労働基準監督署長の認定を受けて、解雇予告又は予告手当の支払いなしに解雇することができます(労基法 20)。
イ 労働者の側に解雇される理由がある場合
 労働者の側に、即時に解雇されてもやむを得ないような事由がある場合には、あらかじめ所轄の労働基準監督署長の認定を受けて、予告をせず、また予告手当も支払わずに即時に解雇することができます。
 この認定については、事例ごとにその労働者の地位、職責、勤続年数、勤務状況などを考慮のうえ、総合的に判断されることとなります。
 なお、解雇予告除外認定を受けずに懲戒解雇する場合は、通常の解雇と同様に解雇の予告又は予告手当の支払いが必要となります。

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