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Ⅱ  安全衛生管理体制

Ⅱ 安全衛生管理体制

 安衛法では、事業者に総括安全衛生管理者の選任など、以下に述べる安全衛生管理体制を確立すべきことを義務付けています。

 業種及び常用労働者数別にみた総括安全衛生管理者などの要選任事業場は、次のとおりです。

業種Ⅰ 常時使用する労働者数
10 人以上~50 人未満 50 人以上 100 人以上
林 業
鉱 業
建設業
運送業
清掃業
安全衛生推進者 安全管理者
衛生管理者
産業医
総括安全衛生管理者
安全管理者
衛生管理者
産業医
業種Ⅱ 常時使用する労働者数
10 人以上~50 人未満 50 人以上 100 人以上
製造業(物の加工を含む。)
電気業、ガス業、熱供給業、水道業
通信業
各種商品卸売業、各種商品小売業
家具、建具、じゅう器等卸売業、同小売業燃料小売業
旅館業
ゴルフ場業
自動車整備及び機械修理業
安全衛生推進者 安全管理者
衛生管理者
産業医
総括安全衛生管理者
安全管理者
衛生管理者
産業医
業種Ⅲ 常時使用する労働者数
10 人以上~50 人未満 50 人以上 100 人以上
その他の業種 安全衛生推進者 衛生管理者
産業医
総括安全衛生管理者
衛生管理者
産業医

1 総括安全衛生管理者

 前表の業種Ⅰで常時 100 人以上、業種Ⅱで常時 300 人以上、業種Ⅲで常時 1,000 人以上の労働者を使用する事業場では、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者などを指揮させ、①労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること、②労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること、③健康診断の実施、診断に基づく事後措置、作業環境の管理、保健指導、健康保持増進などに関すること、④労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること、などの業務を総括管理させる必要があります(安衛法 10)。

 また、総括安全衛生管理者を選任した場合には、所定の様式(安衛則様式 3)によって、所轄の労働基準監督署長に報告しなければなりません。

2 安全管理者

 前表の業種Ⅰ又は業種Ⅱで常時 50 人以上の労働者を使用する事業場では、安全管理者を選任し、その者に労働災害の防止のために必要な措置を講じさせなければなりません(安衛法 11)。

 安全管理者には、次のいずれかに該当する者で、厚生労働大臣が定めた研修を修了した者を選任しなければなりません(安衛則 5 一)。

  • ① 大学又は高等専門学校理系卒で 2 年以上産業安全の実務に従事したもの
  • ② 高校理系卒で 4 年以上産業安全の実務に従事したもの
  • ③ 理系以外の大学、高等専門学校卒で、4 年以上産業安全の実務に従事したもの
  • ④ 理系以外の高校卒で、6 年以上産業安全の実務に従事したもの
  • ⑤ 7年以上産業安全の実務に従事した者で一定の研修を修了したもの

などの一定の資格が必要です。

 安全管理者を選任した場合には、所定の様式(安衛則様式 3)により、所轄の労働基準監督署長に報告しなければなりません。

3 衛生管理者

 常時 50 人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を選任し、その者に少なくとも毎週 1 回以上の作業場の巡視、労働者の健康障害防止のために必要な措置を講じさせなければなりません(安衛法 12、安衛則 11)。

 衛生管理者は、医師や衛生管理者免許の資格を有する者などの中から選任することとされています。

 衛生管理者を選任した場合には、所定の様式(安衛則様式 3)により、所轄の労働基準監督署長に報告しなければなりません。

4 安全衛生推進者(衛生推進者)

 前表の業種Ⅰ又は業種Ⅱで常時 10 人以上 50 人未満の労働者を使用する事業場では、安全衛生推進者を選任しその者に安全衛生に関する業務を、業種Ⅲで同規模の事業場では、衛生推進者を選任しその者に衛生に関する業務を担当させなければなりません(安衛法 12 の 2)。

 安全衛生推進者及び衛生推進者は、5 年以上安全衛生の実務に従事した者などの中から選任することとされています。

 安全衛生推進者などに行わせる職務は、具体的には、次に示すとおりです(衛生推進者にあっては、衛生にかかる業務に限ります。)。

  • ① 施設、設備など(安全装置、労働衛生関係設備、保護具などを含む。)の点検及び使用状況の確 認並びこれらの結果に基づく必要な措置に関すること。
  • ② 作業環境の点検(作業環境測定を含む。)及び作業方法の点検並びにこれらの結果に基づく必 要な措置に関すること。
  • ③ 健康診断及び健康の保持増進のための措置に関すること。
  • ④ 安全衛生教育に関すること。
  • ⑤ 異常な事態における応急措置に関すること。
  • ⑥ 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
  • ⑦ 安全衛生情報の収集及び労働災害、疾病・休業などの統計の作成に関すること。
  • ⑧ 関係行政機関に対する安全衛生に係る各種報告、届出などに関すること。

 なお、安全管理者又は衛生管理者は安全衛生業務の技術的事項を管理する者であり、したがって、当該業務の管理に権限と責任を有する者として位置付けられるのに対し、安全衛生推進者等は、これら安全衛生業務について、権限と責任を有する者の指揮を受けて当該業務を担当する者として位置付けられます。

5 産業医

 常時 50 人以上の労働者を使用する事業場では、産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければなりません(安衛法 13)。

 産業医を選任した場合には、所定の様式(安衛則様式 3)により、所轄の労働基準監督署長に報告しなければなりません。

 産業医を選任した事業者は、労働者の労働時間に関する情報その他の産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報として以下の情報を提供しなければなりません(安衛法 13④)。

  • ① 法第 66 条の5第1項、第 66 条の8第5項(法第 66 条の8の2第2項において読み替えて準用する場合を含む。)又は第 66 条の 10 第6項の規定により既に講じた措置又は講じようとする措置の内容に関する情報(これらの措置を講じない場合にあっては、その旨及び理由)
  • ② 安衛則第 52 条の2第1項又は第 52 条の7の2第1項の超えた時間が1月当たり 80 時間を超えた労働者の氏名及び該当労働者に係る当該超えた時間に関する情報
  • ③ ①、②に掲げるもののほか、労働者の業務に関する情報であって産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要と認めるもの

 産業医は、労働者の健康を確保するために必要があるときは、事業者に対し必要な勧告をすることができ、事業者は勧告を受けたときは、これを尊重しなければなりません(安衛法 13⑤)。

 事業者は、産業医から勧告を受けたときは、当該勧告の内容と当該勧告を踏まえて講じた措置又は講じようとする措置の内容(措置を講じない場合にあつては、その旨及びその理由)について、勧告を受けた後遅滞なく衛生委員会又は安全衛生委員会に報告しなければなりません(安衛法 13⑥)。

 産業医の職務内容は、次の事項で医学に関する専門的知識を必要とするものです。(安衛則 14①)

  • ① 健康診断の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
  • ② 法 66 条の 8 第 1 項に規定する面接指導及び法第 66 条の 9 に規定する必要な措置の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
  • ③ 法第 66 条の 10 第 1 項に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施並びに同条第 3 項に規定する面接指導の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
  • ④ 作業環境の維持管理に関すること。
  • ⑤ 作業の管理に関すること。
  • ⑥ ①から⑤までに掲げるもののほか、労働者の健康管理に関すること。
  • ⑦ 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
  • ⑧ 衛生教育に関すること。
  • ⑨ 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

 また、産業医は産業医学の専門家として労働者の健康管理等を行い、その職務について、総括安全衛生管理者に対し勧告を行い、衛生管理者に対し必要な指導助言を行うことができます(安衛則14③)。

 さらに、産業医の職務の履行の確保を図るため、産業医は、少なくとも毎月 1 回(※)作業場等を巡視し、作業方法や衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければなりません(安衛則 15)。

 (※)事業者から産業医に①~③の情報が毎月提供され、かつ、事業者の同意を得ている場合は、2 ヶ月に 1 回以上の頻度で巡視することが可能です。

  • ①衛生管理者が毎週1回行う作業場等の巡視の結果
  • ②衛生委員会等の調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの
  • ③休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり 80 時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報

 なお、常時 50 人未満の労働者を使用する事業場は産業医の選任は必要ありませんが、労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるに当たっては、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師や保健師を選任すること、全国に設置されている産業保健総合支援センターの地域窓口(地域産業保健センター)を利用する等の適切な方法により労働者の健康管理等に努めなければなりません。

6 安全・衛生委員会

 常時 50 人以上の労働者を使用する事業場では、衛生委員会を設置し、①労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること、②労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること、③労働災害の原因及び再発防止対策で衛生に係るものに関すること、④ その他労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項、について調査審議させる必要があります(安衛法 18)。

 また、次表の事業場においては、このほかに安全委員会を設置し、①労働者の危険を防止するための基本となるべき対策に関すること、②労働災害の原因及び再発防止対策で安全に係るものに関すること、③その他労働者の危険の防止に関する重要事項について調査審議させる必要があります(安衛法 17)。

 安全委員会及び衛生委員会のうち、議長以外の委員の半数は、労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名する必要があります。安全委員会と衛生委員会のいずれをも設置しなければならない事業場については、安全衛生委員会の設置でもよいこととされています(安衛法 19)。

 安全委員会及び衛生委員会は、毎月 1 回以上開催しなければなりません。

<安全委員会を設ける必要のある事業場>

業 種 常用労働者数
林業、鉱業、建設業、木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業、道路貨物運送業、港湾運送業、自動車整備業、機械修理業、清掃業 50人以上
運送業(上欄の事業場は除く。)、製造業(上欄の事業場は除く。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器等小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業 100人以上

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